2013年5月11日土曜日

当院の内視鏡

消化器外科を標榜する、当院の医療機器についてご紹介していきましょう。

今回は胃癌、大腸癌の早期発見に大きく貢献する内視鏡について。

 
当院の内視鏡は2本。上部消化管内視鏡(経鼻内視鏡)と大腸内視鏡です。
 
 
 

上部消化管内視鏡(胃カメラ)は従来口から(経口内視鏡)挿入されていました。しかし10年ほど前から鼻から挿入する方法(経鼻内視鏡)が少しずつ普及し始めました。 

口から(経口)の胃カメラを経験された方はお判りでしょうが、ノドを通る時に、ゲッと吐きそうになり、これが嫌で胃カメラを躊躇される方も多いでしょう。
 
経鼻内視鏡は、鼻から挿入されて、ノドへの刺激が少なく、吐き気を感じることがほとんどありません。また検査中も話をすることも出来ます。

検査中はついつい緊張して固まってしまう方も多いのですが、そのような時は、内視鏡画像を一緒に見ていただいています。検査中に一緒に観察していただいていると、自分の胃に興味が行って、ほとんどの方は苦痛を感じなくなっているようです。 
 
鼻から通るようにするために、当然のことながら内視鏡は細くなければ通りません。
 
 
 
上が経口用の上部消化管内視鏡、下が経鼻用の上部消化管内視鏡
 
 
 
 
細くなった分、刺激が少なく、楽なのですが、観察された画質が落ちることが難点でした。画質が落ちる結果、より微細な病変を見逃してしまうことが懸念されました。
 
しかし内視鏡メーカーの努力により、今では経口内視鏡とさほど遜色のないより精細な画像が得られています。

また当院ではこのような見逃しを可能な限り少なくするために、通常観察に加えて、色素と食酢を混ぜたものを胃全体に散布して、より精細に観察するように努めています。
 
 

当院の内視鏡鏡で特筆されるのはFICE機能。これは特定波長の光で画像を再構成することで、より小さな病変を見つけやすくなり、また病変の性状(良性なのか悪性なのかの判断など)が判りやすくなります。また大腸内視鏡では拡大機能があり、これによりさらに病変の性状が判りやすくなります。
 


食道と胃の境界部の内視鏡画像
 
 一般の内視鏡画像
 
FICE画像
 
食道と胃の接合部の画像、上の画像が、一般の内視鏡画像、下の画像がFICE画像
一般画像に比べて,FICE画像では、縦に走る血管や、中心にある胃粘膜と周囲の食道粘膜
の境界がより明確になっています。
 
 
 
 
このように様々な装置の機能、操作の工夫を行い、病変の早期発見、正確な診断に努めています。

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